2010年5月に開催される上海万博に向けて、新たな観光素材が開発される上海市。中国の歴史と伝統、租界時代の西洋文化、世界の最先端都市と多様な顔を持つ上海市の魅力をリポートする。(協力=上海市観光局)


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 上海市観光局はこのほど、日本の旅行業界向けに研修視察団を招聘し、上海の最新情報、来年5月から開催の上海万博の整備状況などについて約250名の参加者に説明するとともに、上海の新しい観光素材の実地見学会や意見交換会などを開催した。上海市観光局国際旅游促進処の李彬誠処長は、今回の研修視察団の招聘について、「新しい上海を見て、上海の最新情報を知り、それを日本のお客様の要望とミックスして、新しい上海の商品造成に繋がれば成功」と述べ、上海市観光局として、上海市を「著名観光都市」にすることが最大の目標であると強調した。
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▲上海ワールド・フィナンシャル・センター101階から見た上海中心

上海市観光局が主催、大手旅行会社が参加
李処長、女性層とFITをターゲットに

 今回、旅行業界から上海への研修視察旅行に参加した旅行会社は、JTBグループ(JTB首都圏、JTB関東、JTB法人東京)、近畿日本ツーリスト、ジャルパック、ANAセールス、名鉄観光サービス、エイチ・アイ・エス(HIS)。参加者は各社の店頭と企画・営業が約半々。HISは新入社員が研修で参加した。

b0187667_17383063.jpg 李彬誠処長(写真右)は「一つの都市で日本から約145万人が年間訪れるところは、上海以外にはどこにもない」と述べ、上海にとって日本市場が最重要であることを強調するとともに、日本人旅行者を2007年レベルの年間約145万人に回復するために、今後も日本市場に対してプロモーションを強化していく方針を示した。

 李処長は日本の顧客別の重点市場として、1.女性層、2.ビジネス渡航者、3.FIT−の3点を強化することを打ち出した。この中でも、FITの成長率が高く、最近は3-5人のグループ、家族連れなどが目立つという。
 このため、日本市場に対してマーケットにフォーカスした資料やパンフレットを作成している。例えば、女性層向けにデザインされた「上海Style」のパンフレットを作成、これが大好評だった。
 
上海最新事情、新しい観光素材が目白押し
長江デルタに「ゴールドコースト55」設定

 李処長は、上海の最新の観光素材として、今回の視察に組み入れられた地上432m、地上100階建ての「上海環球金融中心」、昔の建物の内部を改造しロフトなどの集まる「田子房」、新しい観光スポット「新天地」、洗練された上海のレストラン、ホテルライフなどを挙げた。
 上海市観光局は、旅行業界と一般消費者に対してプロモーションを展開する。このため、上海市観光局として今年は5、6回訪日する計画で、既に3月に観光説明会を実施し、5月にERA上海雑技団の公演とともに来日、一般消費者向けに観光説明会を開催する。12月には旅行業界向けに日本でセミナーを開催する計画。

 世界的な金融危機の影響で、緊縮財政はどこも同じだが、上海市観光局のプロモーション予算について李処長は「全体は緊縮予算だが、日本向けは増えており、中日観光は双方ともに力を出すということで、日本も元気を出してほしい」と日中双方の観光交流拡大を訴えた。

 また、上海をゲートウェイとする上海広域観光の促進について李処長は、「上海と隣の江蘇省、浙江省を合わせた長江デルタ地域は常に連絡を取り合い、協力体制を取っている。上海万博に向けて55本の観光コースを設定した」と述べた。これは、上海万博と組み合わせた上海観光コースとして上海市観光局は30本のコースを既に設定した。今回、これに加えて、浙江省12本、江蘇省13本を加えて55本として「ゴールドコースト55」の観光コースを設定した。既に、国内旅行市場には発表し、今後は海外向けに紹介していく方針。

上海万博、海外3割を日本に期待 − 年明け業界向けに視察検討

 来年5月から開催する上海万博の現状と見通しについて李処長は、「総入場者のうち中国国内が95%、海外が5%と見ており、海外のうち3割は日本からの旅行者が来てほしいと期待している」と述べた。上海万博の目標入場者数は7000万人。日本のチケット販売総代理店はJTBだが、上海市観光局は120万枚のチケットを日本に配布する方針で、李処長は「日本からは100万〜150万人の入場を期待したい」と述べた。

 李処長は上海万博の最大の課題は「安全対策」と指摘、1日平均40万人を想定しているが、特別日でも60万人で入場制限する計画で、安全第一に混雑対策に万全を期したいとしている。
 4月11日から20日まで、日本では都内で上海ウィークを開催。今後も日本で上海万博のプロモーションを展開していく予定。

 上海市観光局では、12月にJATAと協力して日本でセミナーを開催する予定だが、それを受けて年明けの1-3月頃に、旅行業界向けに上海万博開幕直前のプレオープン視察の実施を検討している。
 上海市観光局では、2009年の日本人旅行者を2007年レベルの約145万人レベルまで戻し、これをステップに、上海万博が開催される2010年には200万人レベルまでジャンプアップすることを目標にしている。

上海市民の人気No.1は日本 − 個人観光ビザに2つの課題

 一方、上海から日本への訪日旅行については、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)効果もあり、年々増加している。李処長は、「観光目的地として上海市民に最も人気があるのは日本で、国慶節の時も日本が香港を抜いて1位になった。日本のサービスの良さは魅力的で、温泉、料理、ショッピング、旅館とどれも評価が高い」と述べた。

 7月から上海、北京、広州の3地域で日本への「個人観光ビザ」が解禁となるが、これについて李処長は、「個人観光ビザの開放の前提条件となる25万元以上の年収に二つの問題がある」と指摘した。
 第1は、富裕層は年収自体に全く問題はないが、年収の申告に対して抵抗感を示していること。第2は、上海の普通のサラリーマンの年収は10-12万元で、海外旅行への関心が高まっているサラリーマン層が年収制限で日本に行けないこと。李処長はこの2点を挙げた。
 上海市観光局には、欧米を含めて多くの観光ミッションが来日している。今回の訪問時にも多くの外国人を見掛けたが、欧米の観光関係者も上海を中国で最大の観光市場と見ており、自国への誘致に熱心だ。訪日外客の目標を達成するためにも、段階的な規制緩和が必要になってくるかもしれない。

研修視察団、上海へ送客拡大、日中旅行推進を
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 上海市観光局が保有する上海ツーリズム・トレーニング・センターで、今回の研修視察団の参加者に対して、上海観光最新事情の説明会が開催された。説明に当たった上海市観光局国際旅游促進処の楊軼木科長は、「昨年10月からの世界的金融危機が観光業にもショックを与えた。今回の観光説明会を通して情報の交換、上海の素晴らしさを見学していただき、日本の旅行者が上海を訪問し、アジアと世界に視点を広げ、より多くの日本人が上海万博に来てくれることを期待する」と述べた。
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 また、歓迎レセプションでは、上海市観光局国際旅游促進処の周愛梅副調研員(写真左)が、「上海は経済・貿易、観光のインフラ整備が進み、都市観光が発展してきた。上海は国際ビジネス都市、国際観光都市として、日本とさらなる交流を促進したい」と述べた。

 これを受けて、研修視察団を代表してJTB中国の関根勲執行役員・営業統括部長/東京支店長(同中央)は、「来年5月1日から上海万博が始まるが、上海全体が万博開催に向けて気運が高まっていることを実感した。日本では4月11日から上海ウィークが始まり、これから上海万博が大きく取り上げられた。今回研修したことを多くの仲間に伝え、2009年から来年に掛けて、1人でも多くのお客様を上海に送ることが私達の使命と感じている。お互いに協力して、日中間の旅行交流を推進していくことを約束したい」と挨拶した。
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 また、JATA-VWC2000万人推進室の柳川健担当部長(同右)は、ビジット・ワールド・キャンペーンの展開する上で、中国を最重点と位置付けており、中国国家観光局、上海市観光局、旅行会社と連携して、上海への日本人送客に努力することを強調した。
 上海市観光局の李処長は、岡本義正首席顧問を通じて、日本の旅行業界の要望を受けて今回の研修視察団の行程を決めたことを強調、「これまでの反応を聞いて、今回のモニターツアーに満足している。今後の上海への旅行商品の造成に期待し、上海と日本の観光交流を促進したい」と締め括った。
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# by shanghai-wing | 2009-05-18 00:02 | 上海研修視察団